【機能特集】TeamPasswordのグループ機能で実現する最小権限の原則
成長中のチームが陥りがちなセキュリティ上の落とし穴の一つが、パスワード共有における「全か無か」のアプローチです。時間を節約するため、マネージャーは一般的な管理者用パスワードを共有したり、新入社員にパスワード管理ツールへのアクセス権を全面的に付与することで、業務開始を急がせる場合があります。
一見効率的に感じられるこの方法ですが、極めて大きな攻撃対象領域を生み出します。ソーシャルメディア担当のインターンにAWSサーバーのroot権限が必要でしょうか?フリーランスの開発者に会社の給与システムへのログイン権限が必要でしょうか?答えは明らかにノーです。
この解決策となるのが最小権限の原則(PoLP)の採用です。今回はTeamPasswordの「グループ機能」に焦点を当てます。この機能は、業務の遅延を招くことなくアクセス権限を整理し、チームをセグメント化するとともにセキュリティを徹底するために設計されたものです。
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TeamPasswordのグループとは?
TeamPasswordにおけるグループは、安全なフォルダまたは「セキュリティサイロ」として機能します。特定のログイン情報をまとめて管理し、必要なチームメンバーのみと共有することが可能です。
パスワードデータベースを全員が閲覧できる単一のリストとして扱うのではなく、グループ機能により権限セットの集合体として管理できます。これにより、パスワード管理ツールは単なる保管ツールから、堅牢なアクセス制御システムへと進化するのです。
最小権限の原則においてグループ管理が不可欠な理由
最小権限の原則とは、ユーザーには特定の業務遂行に必要な最小限のアクセス権のみを付与すべきであり、それ以上は一切与えないという指針です。
ホテルの清掃員のマスターキーと宿泊客のキーカードの違いを考えてみましょう。
- 管理者(清掃員):館内を維持管理するため、全客室や備品室、スタッフルームにアクセスできるマスターキーが必要。
- ユーザー(宿泊客):自身の部屋と共用スペース(フィットネスジムやラウンジなど)へのアクセス権のみが必要。マスターキーを渡すことはセキュリティ上のリスクとなる。
TeamPasswordのグループ機能により、従業員を「清掃員」ではなく「宿泊客」のように扱うことが可能になります。各部署に必要な特定のキーカード(グループ)のみを付与し、館内の他の部分は施錠された安全な状態に保つことができるのです。
戦略的セグメンテーション:グループ編成の方法
グループを効果的に活用するには、機能やクライアントアクセスに基づいてログインをセグメント化する必要があります。TeamPasswordグループを設定する上で最も効果的な2つの戦略は以下の通りです。
1. 部門戦略
これは社内のチーム管理に最適です。組織図上の特定のチームに基づいてグループを作成します。
- マーケティンググループ:Instagram、Facebook、Mailchimp、Buffer、Canvaのログイン情報を含む。
アクセス権限付与対象:CMO、SNS担当、インターン - 開発グループ:GitHub、Jira、AWS、テストサーバーのログイン情報を含む。
アクセス権限付与対象:CTO、開発者、QA - 財務/管理グループ:QuickBooks、Gusto、銀行のログイン情報を含む。
アクセス権限付与対象:オペレーションマネージャー、CFO
2. クライアント戦略(代理店向け)
Web広告代理店にとって、すべてのデータへのアクセスを許可する方式は、クライアントの機密保持の観点から危険です。クライアントAの案件を担当するチームがクライアントBのデータを閲覧できる状態は避けなければなりません。
- 「クライアント:〇〇株式会社」というグループを作成します。
- 〇〇株式会社の案件を担当するアカウントマネージャーとデザイナーのみを追加します。
- 外部フリーランサーは、この特定のグループにのみ追加します。
これにより、1週間のプロジェクトでフリーランスを雇用した場合でも、自社の内部パスワードや他クライアントのデータにアクセスできないようにすることができます。
TeamPasswordでのグループの設定方法
設定は簡単なプロセスです。グループを作成・管理する方法は以下の通りです。
ステップ1:新規グループの作成
サイドバーに移動し、新規グループ作成オプションを選択します。明確で説明的な名前を付けます(例:マーケティング部門、クライアント:プロジェクトX)。
ステップ2:グループへのログイン情報の割り当て
既存のログイン情報をグループに移動するか、新規に作成できます。これらのログイン情報をグループ化することで、意図しないユーザーに閲覧されるリスクを回避することが可能です。
ステップ3:チームメンバーの追加
グループに適切な認証情報を設定したら、関連するチームメンバーのメールアドレスから簡単に追加できます。
グループ機能の運用上の利点
セキュリティ面に加え、グループ機能はオンボーディングとオフボーディングの管理業務を効率化します。
迅速なオンボーディング
新入社員が入社する際、パスワードを個別にメールで送信する必要はありません。TeamPasswordに招待し、関連するグループ(例:マーケティング部門)に追加するだけです。これにより、初日から生産性を発揮するために必要なツールセットに即座にアクセスできます。
より安全なオフボーディング
従業員が退職する際、全ての情報を共有する方式では通常、全社的なパスワードリセットが必要となります。グループ機能では、ユーザーをグループから削除するだけで、そのアクセス権は即時取り消されます。必要に応じて該当グループ内のパスワードのみを変更すればよく、全社的なリセットは不要です。
まとめ
適切なグループ設定は、データ漏洩に対する最前線の防御策です。時間をかけて適切なグループを設定することは、単にデジタルワークスペースを整理するだけでなく、最小権限の原則を積極的に適用することにつながります。
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